ペトリュスの片鱗を魅せるシャトー ラ フルール ペトリュス [2015] ムエックス
CHATEAU La Fleur Petrus POMEROL Jean Pierre Moueix
LOUIS ROEDERER COLLECTION 242
英国のアルコール飲料専門誌ドリンクス・インターナショナルの「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2021」にて、2年連続で第1位に選出されたルイ・ロデレール。
1776年の創業当時から頑なに守る、深い洞察力と先見性を持ったクオリティへの飽くなき追求が、手仕事の芸術品ともいえるシャンパーニュを生み出し、世界No.1メゾンの実力を世界に証明し続けています。
シャンパーニュ地方最大級のビオディナミ生産者
20年程前からブドウ本来の味わいを最大限引き出したブドウ造りを続けるルイ・ロデレールですが、現在では所有する240haの広大な自社畑のうち約半分以上をビオディナミで栽培。現在も刻々とビオディナミへの転換を進めており、シャンパーニュ地方では最大のビオディナミ生産者と言われ、プレスティージュ・キュヴェのクリスタルにおいては、2012年ヴィンテージより、なんと100%ビオディナミのブドウを使用して仕立てています。
今でこそ多くのトップワイナリーが取り組んでいる栽培方法ですが、当時シャンパーニュで理解を示したワイナリーは極僅か。
こうした苦労が絶えない栽培方法を続けてこられたのは、Michele Jeanneau ミッシェル・ジェノー氏の着実な取り組みと、より高みを目指すルイ・ロデレールの姿勢があるが故と言えるでしょう。
Louis Roederer Michele Jeanneau
ジャノー氏は、パリ大学で法律と経済の博士号を取得し、法律学科の助教授としてキャリアを始め、その後、父親の経営するジャノー・アルマニャックの輸出部長として参画。
また、シーグラム社に買収されるまで最古の歴史を誇るコニャック・メゾン、martellマーテルで会長を務める。
1999年よりルイ・ロデレール社に参画。
2001年からは副社長として渉外・広報を担当する。
2008年にレジオン・ドヌール勲章(シュヴァリエ)を受章。
スタンダード・キュヴェを35年ぶりに刷新
ブドウ栽培の北限といわれ、ブドウの完熟が難しかったフランスのシャンパーニュ地方では、生産量が多いスタンダード・キュヴェは、複数のヴィンテージワインから造られるリザーヴワインを使用し、メゾンのスタイルの一貫性を重視した味わいに仕立てるのが一般的です。
しかしルイ・ロデレールでは、地球温暖化の影響と、2000年以降オーガニックやビオディナミ栽培に転換したことにより、ブドウの熟度が格段に向上し、安定的に高品質なブドウが収穫できるようになりました。ブレンドによりヴィンテージやテロワール毎の違いをしっかりと表現する、というコンセプトのもと、新たなスタンダード・キュヴェ、コレクションが誕生しました。
ラベルには、ヴィンテージごとに3桁の数字を表記し、創業年からのアッサンブラージュの回数をナンバリング。
バックラベルにはリザーヴワインのヴィンテージ情報を記載することで、ワインの熟成や飲み頃に関する情報を伝えています。そして、初リリースとなる“242”は、2017年ヴィンテージをベースワインとしてアッサンブラージュしています。
リザーヴワインによる熟成感と収穫年の個性が調和した、かつてない複雑味を表現
コレクションに使用されるブドウの約20〜30%は、契約農家から購入したブドウを使っていますが、コレクションの誕生にあたり品質向上のため特別な栽培チームを結成。
静かに品質を研ぎ澄まし続ける「手仕事の芸術品」
大規模なブランドが華々しいヴィジュアルの広告を掲げ市場を席巻するシャンパーニュの世界。ルイ・ロデレールは、そんなシャンパーニュの世界において「手仕事の芸術品」と賞される丁寧なシャンパーニュ造りを守り続けている稀有なメゾンです。
口当たりはシルキーで、シャープな酸と石灰質土壌ならではの豊かなミネラルが広がり、ボディは非常にタイトな印象。生き生きとした果実味が長い余韻と共に口内を満たします。繊細で複雑なルイ・ロデレールならではのスタイルを表現しながらも、ブドウ本来のピュアで凝縮した旨味が一層引き立つ深遠な仕上がりです。
ブレンド比率シャルドネ(42%) 、 ピノ・ノワール(36%) 、 ピノ・ムニエ(22%)
飲み頃〜2035年
右岸NO.1とNO.2のシャトーの間という好立地で造られる、右岸の巨匠が手掛けるシャトー。
もともと数あるボルドー右岸の中でも 安定した高い実力を持ちそれでいて価格が抑えられていることからディープなワインラヴァーに大変な人気を誇るシャトー・ラ・フルール・ペトリュス。
こちらはシャトー・ペトリュスやシャトー・オザンナを所有し、カリフォルニアではドミナスで大成功(2010と2013年 PP100点)をする ジャン・ピエール・ムエックス社がワイン造りを手掛けています。
シャトーの畑は、名前の由来ともなっているようにシャトー・ラフルールとシャトー・ペトリュスの間に位置しています。
格付けがないポムロルの中にあって、右岸NO.1との呼び声が高い「ペトリュス」 常にペトリュスに迫り、時にはそれをしのぐことさえある右岸NO.2の「ラフルール」。
そのような素晴らしい二大シャトーのちょうど真ん中というテロワール。
これだけでも、最上級のテロワールから生み出されるワインということが おわかりいただけると思います。
道を挟んでシャトー ペトリュスと向かい合っている位置にありますが、土壌は異なり、こちらは大きな砂利の多い土壌となっています。
所有面積は14.5ha。
まさしく名前のように「花」を連想させるような華やかな香りがあり、複雑さとリッチさを兼ね備えたエレガントなワインとなっている。
そのレベルの高さからムエックスグループの代表ワインのひとつとなっています。
「複雑さとパワーがペトリュス、複雑さとエレガンスがラ・フルール」と例えるのはクリスチャン・ムエックス氏の息子、【エドゥアール・ムエックス氏】。
見事に二つの畑の長所を引き出して、一つのワインにしています。そうそうたるポムロルのシャトー郡に囲まれつつもこのシャトーの名声が薄れないのは、ムエックス氏を筆頭にシャトーのスタッフによって絹のように滑らかな舌触りと、柔らかなテクスチュアを持つ豊かなワインを造り続けているからなのです。
平均年間生産量:5万本、畑 面積:13.4ha、平均樹齢:35年、植樹密度:6250本/ha、平均収量:39hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理されたコンクリートタンクで20〜24日間。熟成は毎年3分の1ずつ更新される樽で20ヶ月。
清澄するが、濾過はしない。
Chateau La Fleur Petrus 2015
外観は凝縮感のあるガーネット色。縁がほんのりオレンジ色で、熟成のニュアンスが感じられるグラデーション。
ラズベリー、キルシュに、紅茶や花といったニュアンスが香り上品な印象。口に含むと、果実の凝縮感が感じられるパワフルなアタックが感じられ、滑らかなタンニン、しなやかな酸はきれいに溶け込んでいます。
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